語られぬ さとりの獅子吼 聞くまいと 耳を塞ぐは わが心なり
照滴059
本文
語られぬ さとりの獅子吼 聞くまいと 耳を塞ぐは わが心なり
形式
#短歌
カテゴリ
#1.仏法・教義
ラベル
#悟り #仏 #精神 #修行
キーワード
#獅子吼 #さとり #耳 #心 #拒絶
要点
悟りはあるが、心がそれを受け入れない様子を描写。
現代語訳
悟りは語られぬものとされているが、実際には獅子吼として力強く高らかにに咆哮されている。しかし、それを聞こうとせず耳を塞いでいるのは私自身の心である。
注釈
獅子吼:仏の真理を説く声、力強い法の象徴
耳を塞ぐ:悟りを受け入れない心の比喩
解説
悟りや真理が常に存在するが、受け取る準備のない心はそれを拒絶することを示す仏教的警句。
深掘り_嵯峨
悟りの本質と煩悩の抵抗を対比させた歌です。「語られぬ」にもかかわらず「獅子吼」(仏の説法)のように力強い真理の響きが発せられているのに、それを「聞くまいと耳を塞ぐ」のは、他ならぬ自分の心(煩悩、執着)である、という痛烈な自己批判です。真理は常にあるが、自己の心がそれを拒んでいるという、覚悟を促す警句となっています。